最近では、スマートフォンやパソコンだけでなく、テレビや家電、セキュリティカメラなどもWi-Fiに接続する時代。
家庭内での接続台数が増えたことで、「ルーター1台でどこまで対応できるの?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
この記事では、TP-Linkの人気Wi-Fiルーター「Archer AX23V」に焦点を当て、接続台数は何台まで安定して接続できるのか? というテーマで詳しく解説していきます。
Wi-Fiの接続台数で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください!
Archer AX23Vの最大接続台数は何台?
AX23Vの公式仕様に記載されている接続台数
TP-Linkの公式サイトによると、「Archer AX23V」は最大36台までのデバイス接続が可能とされています。
この数字はあくまでも理想的な環境下での目安ですが、Wi-Fiルーターとしては家庭用として十分なスペックです。
36台というと、一人暮らしからファミリー世帯まで、スマホ・パソコン・タブレットに加えて、スマート家電やゲーム機なども含めた多くの機器を同時に接続できる容量を持っていることになります。
Wi-Fi 6の性能が台数に与える影響
Archer AX23Vが採用しているのは最新のWi-Fi 6(802.11ax)規格です。
このWi-Fi 6は、以前のWi-Fi 5(802.11ac)と比べて同時接続の効率が格段にアップしているのが特徴。
特に「OFDMA(直交周波数分割多重アクセス)」という技術が使われており、複数の端末からの通信をスムーズにさばけるようになっています。
同時接続と通信品質の関係
たとえば、36台接続できるとはいえ、すべての端末が同時に大量のデータ通信を行うと、通信速度はやはり低下する可能性があります。
これはどんなルーターにも言えることです。そのため、実際には全端末が常時高負荷で通信する状況でなければ、30台前後までは問題なく運用可能です。
一般家庭での実際の使用例
たとえば、4人家族の家で、各自のスマホ・タブレット・パソコンに加え、テレビ・ゲーム機・スマートスピーカー・防犯カメラ・エアコンなどをWi-Fi接続したとしても20〜25台程度。
この範囲であれば、AX23Vは十分に対応可能です。
推奨接続台数と限界の見極め方
一般的に「最大接続台数」と「実用的な接続台数」は違います。AX23Vでは、快適な通信速度を維持するなら20〜30台程度を目安にしておくのがおすすめです。
これを超える場合や、4K動画やゲーム通信などが多い環境では、通信速度や安定性を維持する工夫が必要になります。
実際の使用環境でどう変わる?接続台数の体感
戸建て・マンションなど構造による違い
同じAX23Vを使っても、設置する建物の構造によってWi-Fiの届き方や安定性は変わってきます。
たとえば、鉄筋コンクリートのマンションでは壁がWi-Fiの電波を遮りやすく、ルーターの性能を発揮しきれないことも。
一方で、木造の戸建て住宅なら、電波の通りが良く、階をまたいでも安定した通信が期待できます。
スマート家電やIoT機器の普及との関係
最近では照明、エアコン、掃除機、テレビ、冷蔵庫までもがWi-Fi接続されるようになり、家庭内での接続台数が一気に増加しています。
これらの機器は常時通信しているわけではありませんが、スタンバイ状態でもネットワークにアクセスしているため、接続台数としてカウントされます。
AX23VのようなWi-Fi 6対応ルーターであれば、こうした**「常時接続+時々通信」タイプの機器も効率よく処理**できるため、実用面でも安心です。
動画視聴やゲームでの通信負荷
4K動画を視聴する、オンラインゲームを複数台でプレイするといった場面では、通信帯域が大きく消費されます。
こうした負荷の高い通信が複数重なると、どんな高性能ルーターでも通信速度が落ちる可能性があります。
特にゲームではラグ(遅延)による影響が顕著なので、**優先的に帯域を確保できる設定(QoSなど)**を活用するのがポイントです。
接続台数と通信速度の関係
Wi-Fiの速度は、接続する端末の数が増えるごとに少しずつ分散されていきます。
たとえば、家族全員がスマホで動画を見ている時間帯などは、明らかに速度低下を感じることも。
そのため、実際の体感速度を高めるためには、「何台接続できるか」だけでなく、「どのくらいの通信が必要か」も見極めることが大切です。
体感速度を保つための工夫
体感速度を落とさずに多台数接続を実現するには、いくつかの工夫が効果的です。
たとえば、ルーターの位置を家の中央に設置する、中継機を併用する、不使用の端末はWi-Fiを切っておくなど、日常的な工夫だけでも安定性が大きく変わります。
AX23Vの接続安定性を高める設定・工夫
チャンネルの最適化
Wi-Fiには「チャンネル」と呼ばれる周波数の通り道があり、同じ周波数帯の中でもいくつかのチャンネルに分かれています。
特に集合住宅やマンションなどでは、隣の家のWi-Fiとチャンネルが重なると「電波の干渉」が起こり、通信が不安定になりがちです。
AX23Vでは、管理画面からチャンネルを手動で変更することで、混雑していないチャンネルに切り替え、安定した接続を得ることができます。
特に2.4GHz帯では「1」「6」「11」のいずれかを選ぶのが基本で、5GHz帯では自動設定が安定していますが、混雑していれば手動変更を試してみましょう。
チャンネルの最適化は、特別な知識がなくてもルーターの管理画面から簡単に操作できるので、定期的に確認するのがおすすめです。
ファームウェアの更新
意外と見落とされがちなのが、ルーターのファームウェア(内部ソフトウェア)のアップデートです。
TP-LinkはAX23Vに対しても定期的にファームウェアの更新を提供しており、これにはバグの修正やセキュリティの強化、新機能の追加が含まれています。
これを放置していると、パフォーマンスが悪化するだけでなく、脆弱性のある状態が続いてしまいます。
TP-LinkのTetherアプリやブラウザ管理画面から「アップデートの確認」ができるので、月に1回程度チェックする習慣をつけるとよいでしょう。
使用帯域の切り替え(2.4GHzと5GHz)
AX23Vは2.4GHzと5GHzのデュアルバンド対応です。2.4GHzは電波が遠くまで届きやすい一方で速度は控えめ、5GHzは高速だが壁などの障害物に弱いという特徴があります。
自宅内のデバイスを、用途や設置場所に応じてどちらの帯域に接続させるかを調整するだけで、全体の通信品質が大幅に改善されることがあります。
たとえば、リビングのテレビや据え置きPCは5GHz、廊下や寝室のスマートライトは2.4GHzに接続する、といった使い分けがポイントです。
優先端末の設定
TP-Linkの一部ルーターにはQoS(Quality of Service)機能があり、特定の端末に優先的に帯域を割り当てる設定が可能です。
AX23Vでもこれを活用すれば、たとえばテレワーク中のノートパソコンやオンライン授業用のタブレットに優先順位をつけ、他の端末の影響を受けにくくすることができます。
また、TP-Link Tetherアプリを使えば直感的な操作で優先端末の登録ができるので、設定に詳しくなくても安心です。
不要な端末の切断やスケジュール制御
Wi-Fiに接続している端末の中には、使っていないのに常時接続されているものもあるかもしれません。
これらが通信帯域を占有してしまっている可能性もあります。
AX23Vでは接続中のすべての端末を確認し、不要な端末の切断や、特定時間帯にWi-Fi接続を制限するスケジュール機能も活用できます。
たとえば、深夜帯には子ども用のゲーム機やタブレットを接続不可に設定したり、夜間はスマートテレビだけ接続を許可するような使い方ができます。
通信の効率化とともに、セキュリティ向上にもつながる工夫です。
接続台数が多いならメッシュWi-Fiで拡張も検討
EasyMeshとは?
「EasyMesh」とは、TP-Linkが対応製品に搭載しているメッシュWi-Fiの規格です。
複数のWi-Fiルーターや中継機を連携させて、家中どこでも強力で安定した電波を飛ばせる仕組みです。
AX23VもこのEasyMeshに対応しているため、対応中継機と組み合わせれば、簡単にWi-Fiの範囲を広げることが可能です。
メッシュ化されたWi-Fiでは、デバイスが部屋を移動しても自動的に最適なアクセスポイントに接続されるため、「部屋を移動したら途切れる」「2階の奥ではつながりにくい」といった問題も解決します。
メッシュ構成のメリットと導入方法
メッシュWi-Fiのメリットは以下の通りです。
-
電波の死角をなくせる
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同じSSIDで接続できるため切り替え不要
-
移動中も接続がスムーズ
導入も非常に簡単で、TP-LinkのTetherアプリから設定するだけ。
AX23Vと、EasyMesh対応の中継機(例:RE605Xなど)を接続し、「EasyMeshを有効化」するだけでネットワークが統合されます。
AX23Vと相性のよい中継機・ルーター
以下の中継機は、AX23VとのEasyMesh構成に対応しています:
製品名 | 特徴 |
---|---|
RE605X | Wi-Fi 6対応・高速で安定 |
RE500X | コスパ重視のWi-Fi 6対応中継機 |
Decoシリーズ | より高度なメッシュネットワーク構築も可能 |
メッシュにすることで得られる安定性
メッシュWi-Fiを導入することで、各デバイスの接続先が自動的に最適化され、常に最も安定したアクセスポイントへ接続されます。
とくに接続台数が多くなると、単一のルーターだけでは対応しきれなくなるケースもあるため、家族全体で快適に使いたい場合はメッシュ化を強くおすすめします。
家全体に快適なWi-Fiを届ける方法
家中にWi-Fiを行き渡らせたいなら、「ルーター+中継機」のセットで運用し、さらに接続台数が多くなることを見越して中継機もWi-Fi 6対応のものを選ぶのがベストです。
これにより、AX23Vの性能を最大限に活かしつつ、快適なインターネット環境を構築できます。
Archer AX23Vと他モデルの接続台数比較
AX23VとAX73の違い
TP-Linkの人気モデル「Archer AX73」はAX23Vの上位モデルで、最大接続台数も約80台以上と大幅に強化されています。
アンテナ数やCPUの処理能力も高く、大規模な家庭やSOHO向けです。
通信範囲も広いため、より多くの端末を安定してつなぎたい方にはAX73が適しています。
AX23VとAX20の比較
一方でAX20はAX23Vの1つ前の世代ともいえるモデルで、Wi-Fi 6対応ながら処理性能や通信速度はやや控えめ。
最大接続台数も30台前後とされており、小規模な家庭向けにおすすめです。
価格重視で選ぶならAX20、性能とバランスを重視するならAX23Vという選び方になります。
各モデルの接続台数一覧表
モデル名 | 最大接続台数 | 推奨使用環境 |
---|---|---|
AX20 | 約30台 | 一人暮らし〜2人暮らし向け |
AX23V | 約36台 | ファミリー世帯、IoT多数環境向け |
AX73 | 約80台以上 | 大家族・SOHO・高負荷環境向け |
家庭向けルーターの選び方ポイント
ルーターを選ぶ際のポイントは「接続台数」「使用場所の広さ」「同時通信の頻度」の3点です。
AX23Vは、バランスの取れた構成で、価格と性能のバランスがよいミドルモデルとして非常に人気があります。
コスパ重視か安定性重視かの判断基準
1万円前後で購入できるAX23Vは、Wi-Fi 6対応モデルの中でも非常にコスパが高い製品です。
ただし、接続台数や通信の安定性を最重視するなら、AX73のような上位モデルも視野に入れるべきです。用途と予算に応じて選びましょう。
TP-Link Archer AX23Vの接続台数は最大何台まで接続可能?家庭での最適な使い方とは?まとめ
TP-Link Archer AX23Vは、家庭用Wi-Fiルーターとして非常にバランスの取れたモデルです。
最大36台のデバイスを接続可能という仕様は、スマート家電や複数人の同時利用が当たり前になってきた現代の家庭にピッタリの性能と言えるでしょう。
Wi-Fi 6に対応しているため、同時接続時の効率も高く、OFDMAやMU-MIMOといった技術によって多台数でも安定した通信が可能です。
とはいえ、全デバイスが一度に大量通信を行えばさすがに限界があるため、実際の使用環境では20〜30台程度を目安にするのがベストです。
さらに、チャンネルの最適化や帯域切り替え、優先端末の設定などを行えば、より快適な通信環境が構築できます。
もし、接続する端末が40台を超えるような環境であれば、EasyMesh対応の中継機と組み合わせてメッシュWi-Fiにするのも非常に効果的です。
また、上位モデルであるAX73などと比較しても、AX23Vは価格と性能のバランスが非常に良く、コスパ重視で選びたい人にとって最適な選択肢です。